昔ながらの医療の現場では医師が中心となり、問診や診察を行って患者を治療し、看護師などが医師をサポートしながら医療の体制を構築していました。近年は医療も高度化と専門化が進み、医師と看護師やその他の医療技術者の役割分担も進展し、各担当がチームを組んで患者のケアにあたる形態へと変化しています。
中でも看護師は院内で患者に接する機会が多いです。患者の様子を観察し、いつもと違う変化に一番先に気付く重要な位置にいます。そこで必要となるのがコミュニケーションスキルです。
医療のスキルを高めることももちろん大事ですが、言葉で上手く伝えられない患者を担当する場合は、小さな変化に気づくこと、さらにそれを確認するということが重要になります。そのためには、患者との信頼関係を構築することが大切です。患者への声掛けや対話を重ねながら正しい病状を掴みとり、そして知り得た情報を正確に看護記録に残しておかなければいけません。医師をはじめ医療チーム全体で共有化できるようにするためには、伝達能力も欠かせないスキルの一つと言えるでしょう。
看護師は日々の業務も忙しく大変ですが、患者との共有時間は医療の重要な部分を占めているだけに、観察力とコミュニケーションスキルなどを高めておくことが必要です。
また、近年の看護師は日常業務だけではなく、院内のカンファレンスや院外の学会などで発表する機会も増えています。これも伝達能力やコミュニケーション能力を発揮する場の一つですが、それにはパソコンなどのOA機器や表計算とプレゼンテーションソフトなどを使いこなせる能力も必要です。相手にわかりやすく説明するためには、言葉だけでなくデータで示す必要があります。IoTが進歩した時代だからこそ、求められるニーズに応えられるよう情報伝達ツールも利活用できる能力を身につけておくとよいでしょう。